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良いモノは当たり前な時代の差別化手法

◆業務を減らし成約を増やすための差別化とは?


他社に負けない差別化から「他社と競合にならない差別化」へ

 

「モノ売り」ではなく「コト売り」が求められている、とは以前から見聞きしてきました。

家づくりでいえば、モノの価値(耐久性や断熱性、遮音性・・・)に加え、機能性やデザイン性など、豊かで便利で健康なライフスタイル(=コト)の価値訴求と言えます。

しかし、世の中は「使いやすく、デザイン性の高い」もので溢れ、ユーザーは「モノ・コト」の訴求だけでは満足しない時代です。また2011年震災以降は、私たち日本人は「物質的な豊かさ」よりも「心の豊かさ」に、価値を置くようになったと感じます。また「モノ・コト売り」の同じ土俵は競合で溢れています。

 

他社と異なることをするからこそ光り輝く存在に


話は変わりますが、バルミューダという家電メーカーをご存知でしょうか?

トースターや、扇風機、炊飯器などの製造会社で、大手メーカーでも真似できない存在として注目されています。

例えば、トースターは、水を注ぎ蒸気を発生させ、また温度制御しながら焼き、結果、最高の味と触感を実現。他のどんな機械にもできない焼き上がりの感動体験ができるのです。起業当時は、他にない特殊な製品ということもあり、非常に苦労されたそうですが、今では圧倒的な差別化でその商品群は光り輝いています。

創業者でもある社長が言うのは「私たちは家電という[モノ]ではなく、顧客の[感動体験]をつくる」ということ。モノとしての性能や機能の訴求ではなく、顧客の感動・体験を訴求しているのです。

つまり「モノづくり」とは異なる土俵で戦っているわけです。


“感情訴求”の時代に求められる家づくり


これを家づくりに置き換えると、あなたの会社が提供する家と暮らしで、顧客はどんな気持ちが欲しいのか、という「感情」の訴求であり、顧客ごとの感情のニーズを訴求し、家をオーダーメイドすることになります。

例えば、「家族が集まる安心感と、幸福感を積み重ねた心の繋がり」かもしれませんし、「毎朝、清々しくエネルギッシュに迎える一日の活力」かもしれません。

人の「ココロ」から湧き上がる「感情」を訴求するのです。

 「ステキな家」「ステキな暮らし」の提供から、「ステキな気持ち」の提供にシフトするということです。

このように、「感情」という他社と異なる土俵で戦うことによって、地域で圧倒的に差別化されたポジションを取れます。

では、土俵を変えれば良いかというと、例えば、いわゆるヒアリングシートを使うような要望ヒアリングでは、感情を引き出せません。戦う土俵が変われば、有効に戦うには使う武器(方法)も変わります。

これまでのように、「商品力」や「提案力」といった武器では差別化は図れない時代になったのです。

「商品力」「提案力」の次に必要な武器とは?